- 不動産業を初めたいけど個人と法人で迷っている
- 不動産業に特化したメリット・デメリットが知りたい
- 実際に開業した人の生の声を聞きたい
不動産業を開業するにあたって、まず決めないといけない事があります。
それは、法人でいくのか・個人事業主でいくのかという選択です。
一般的なメリット・デメリットについては他の記事に沢山載っているので、今回は不動産業に関連する内容に特化して解説します。
私は法人として会社設立しましたが、実は直前まで個人事業主として開業を考えていました。
そのため、法人と個人事業主のメリット・デメリットをかなり調査したので、現時点で迷っている場合は参考にしてください。
法人のメリット3選
まず初めに法人のメリットですが、私が法人として開業することを決めた3つのメリットを解説していきます。
- 社会的信用が生まれる
- 個人と完全に切り離せる
- どんなサービスも導入できる
社会的信用が生まれる
まずは社会的信用が生まれるという点です。
私はこれまでに不動産業を6年以上行ってきましたが、共同仲介として様々な不動産業者と取引しました。
その中で感じたことは「株式会社」という看板の大きさです。
よくお客様に対して安心してもらうという部分は書いていますが、私は不動産業者間での信用度も上がると感じました。
個人と完全に切り離せる
法人のメリット2つ目は、個人と完全に切り離せる事です。
私は不動産業ではないですが、個人事業主として経営をしたことがあります。
ただ、どうしても個人の生活費と混ざってしまうことが多かったです。
法人という完全に別人格を作って運営することで、個人と完全に切り離す事が出来たのは非常に大きなポイントになりました。
正直、自分に甘いと感じるなら法人として開業することをオススメします。
どんなサービスも導入できる
法人3つ目のメリットは、どんなサービスも導入できる事です。
私は初期段階では、個人事業主として不動産業を始める予定でしたが、その段階で様々なサービスやツールの話を聞きました。
ただ、契約する条件として「株式会社であること」というものが多くありました。
法人として開業することで、自分が欲しいサービスを気軽に導入できるのは大きすぎるメリットです。
法人のデメリット2選
次は法人のデメリットですが正直、不動産業としてのデメリットは感じません。
とはいえ、何かしらのデメリットを伝えないといけないので、2つ挙げます。
- 登記費用がかかる
- 社会保険に必ず加入しないといけない
登記費用がかかる
まずは登記費用がかかることです。
法人の場合、法務局へ法人登記を行わないといけません。
合計約25万円
- 登録免許税:約15万円
- 司法書士報酬:約5万円
- 定款認証:約5万円
費用もかかりますし、登記申請を出してから登記完了するまで、2週間前後あるので時間もかかってしまいます。
登記費用(会社設立)について
社会保険に必ず加入しないといけない
2つ目のデメリットは、社会保険に必ず加入しないといけない事です。
法人の場合、1人で開業であっても社会保険は必須になります。
会社員時代は社会保険料の半分は会社が負担してくれていましたが、法人を設立すると自分の会社が出さないといけません。
そのため、これまでの2倍の保険料を支払うことになるので、法人の辛さを感じるでしょう。
社会保険には扶養という概念がある
とはいえ、社会保険は扶養という概念があるので、私のように家族7名であれば逆に社会保険はありがたいです。
また、法人だと役員報酬学によって社会保険料が変わってくるので自分で調整できることはメリットになるでしょう。
個人事業主のメリット2選
次は個人事業主のメリットですが、2つ挙げました。
- 登記費用がかからない
- 免許申請までのスピードが早い
登記費用がかからない
1つ目は登記費用がかからないことです。
個人事業主の場合、管轄の税務署に開業届を出しに行けば手続きが終了するので、法人のように登記は不要です。
初期費用25万円がかからないのは、開業当初は大きなアドバンテージになります。
かからなかった費用を自己資金として計上すれば、融資などもスムーズに進める事が出来るでしょう。
宅建業の免許申請までのスピードが早い
2つ目のメリットは、免許申請までのスピードが早い事です。
先程伝えたように、開業届を提出するだけで個人事業主として開始出来ます。
法人だと法人登記が完了しないと手続きが出来ませんが、個人事業主だと即日に免許申請に行くことが出来ます。
※もちろん免許申請の書類を作成していることが前提です
ちなみに宅建業の申請は月初から1週間ほどしかないので、タイミングを逃すと1ヶ月申請が伸びます。
宅建協会の受付け流れ
個人事業主のデメリット4選
最後は個人事業主のデメリットですが、4つあります。
私は個人事業主をやめた理由が入っているので、迷っているなら必ず参考になるでしょう。
- 法人化したタイミングで免許番号が変わる
- 加盟できないサービスがある
- 個人の財布と分けるのが難しい
- 国民健康保険になる
法人化したタイミングで免許番号が変わる
まず1つ目のデメリットは、法人化したタイミングで免許番号が変わることです。
不動産業として免許が下りた場合、5年間に一度免許更新をしないといけません。
免許更新のタイミングで免許番号の数字が増えていきますが、この数字が多いほど信用度が上がります。
不動産業を初めて1年目から5年目
- 福岡県知事(1)〇〇号
不動産業を初めて6年目から10年目
- 福岡県知事(2)〇〇号
ただ、同じ代表者であっても個人事業主から法人に変更した場合、免許番号自体(〇〇号の部分)が変わるので、自ずと数字もリセットされます。
不動産業者として売上が上がってきて、税金面では法人化したほうが良いのに、免許番号が原因で変更したくないとなるのは本末転倒だと感じました。
そのため、私は最初の段階から法人として開業することを決めました。
導入できないサービスがある
2つ目のデメリットは導入できないサービスがある点です。
法人のメリットで伝えましたが、個人事業主の場合、サービスやツールによって導入できない場合があります。
利用すれば、必ず効率化が図れるのに個人事業主というだけで導入できないものがあるのはもったいないと感じました。
実際に導入したいサービスで個人事業主お断りのものがあったので、個人事業主での開業をやめました。
個人の財布と分けるのが難しい
3つ目は個人の財布と分けるのが難しい点です。
これも法人のメリットと反転している部分ですが、やはり個人事業主として運営すると個人の財布と混ざります。
特に不動産業というのは初期段階で創業融資を受けるので、いきなり大金が口座に入ります。
感情的に個人的な出費に使う可能性も考慮し、法人での開業を決めました。
国民健康保険になる
4つ目のデメリットは国民健康保険になる点です。
国民健康保険は扶養という概念がないので、家族全員分の保険料が必要になります。
私の場合、子供が5人いるので国民健康保険になるとかなりの出費になってしまいます。
最初は任意継続しようと思いましたが、しっかりと経営していくことを考えると法人で社会保険に加入することを決めました。
まとめ
今回は不動産仲介業に特化した個人事業主と法人のメリットデメリットについて解説しました。
法人のメリット3選
- 社会的信用が生まれる
- 個人と完全に切り離せる
- どんなサービスも導入できる
法人のデメリット2選
- 登記費用がかかる
- 社会保険に必ず加入しないといけない
個人事業主のメリット2選
- 登記費用がかからない
- 免許申請までのスピードが早い
個人事業主のデメリット4選
- 法人化したタイミングで免許番号が変わる
- 加入できないサービスがある
- 個人の財布と分けるのが難しい
- 国民健康保険になる
法人にするか・個人事業主にするかは、不動産業を始めるにあたって最初に決断しないといけない事です。
一般的なメリットデメリットと合わせて、不動産業に特化したメリットデメリットを知った上で決めていきましょう。
一度、決めた後は簡単に変更できないので、後悔のない選択をしてください。
当社では不動産開業コンサルティングを行っています
私が不動産業を開業した際、相談する相手はいませんでした。
行政書士に依頼することも考えましたが、あくまでも書類上の手続きをしてくれるだけですし実際に不動産業を行っているわけではありません。
当社では実際に1人で開業した私が、不動産開業コンサルティングを行います。
不動産業を始めるにあたって悩んでいることや気になることがあれば、まずはお問い合わせください。